ベトナムFAQsよくある質問
ベトナム国一般FAQ
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A1. ベトナムは東南アジアのインドシナ半島東部に位置し、北は中国、西はラオスとカンボジアと国境を接し、東と南は南シナ海に面しています。日本からベトナムへの直行便を利用した場合、主要都市への所要時間は以下の通りです:
ハノイ:成田国際空港から約6時間10分~6時間45分、関西国際空港から約5時間50分。
ホーチミン:成田国際空港から約6時間10分、東京国際空港から約6時間20分、関西国際空港から約5時間50分。
ダナン:成田国際空港から約5時間30分、東京国際空港から約6時間10分、関西国際空港から約4時間40分。
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A2. ベトナムの首都はハノイです。政治の中心地であり、歴史的な建造物や文化遺産が多く存在します。一方、ホーチミン市(旧サイゴン)はベトナム最大の都市であり、経済の中心地として知られています。このように、ハノイとホーチミン市はそれぞれ政治と経済の主要な役割を担っています。
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A3. ベトナムの人口は約1億31万人(2023年時点)で、東南アジアではインドネシアに次いで2番目に多い人口を持ちます。
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A4. ベトナムでは無宗教者が全人口の約86%を占めています。宗教を持つ人々の中では、カトリックが約6%、仏教が約5%とされています。
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A5. ベトナムは社会主義共和制を採用しており、共産党が唯一の政党として国家を指導しています。中央集権的な統治が特徴です。
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A6. ベトナムは長い歴史の中で、中国やフランス、日本などの支配を受けました。特に、20世紀には第一次インドシナ戦争やベトナム戦争を経て、1976年に南北統一を果たし、現在のベトナム社会主義共和国が成立しました。
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A7. ベトナム文化は、中国やフランスの影響を受けつつも、独自の伝統を持っています。伝統的な音楽、舞踊、服飾(アオザイ)や、豊かな食文化(フォーやバインミーなど)が特徴的です。
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ベトナムの主要産業は、農林水産業、鉱工業・建築業、サービス業の3つに大別されます。2023年のGDPに占める各産業の割合は、農林水産業が11.96%、鉱工業・建築業が37.12%、サービス業が42.54%となっています。
農林水産業:
ベトナムは世界有数の米の輸出国であり、他にもコーヒー、カシューナッツ、胡椒などの農産物の生産が盛んです。特にコーヒーの生産量は世界第2位を誇ります。
鉱工業・建築業:
製造業はベトナム経済の成長エンジンであり、特に電子製品、繊維、衣料品の生産が重要な役割を果たしています。2024年の輸出品目別では、コンピュータ・電子製品およびその部品が最も多く、次いで電話機・同部品、機械設備・同部品が続きます。
サービス業:
観光業はベトナムの主要なサービス産業の一つであり、豊かな自然景観や文化遺産を求めて多くの観光客が訪れます。また、近年では情報技術(IT)や通信分野の成長も著しく、サービス業全体の発展に寄与しています。
このように、ベトナム経済は多様な産業によって支えられており、近年では経済の多角化と工業化がさらに進展しています。
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A9. ベトナムは「全方位外交」を展開しており、多くの国と友好関係を築いています。特に日本とは、1973年に外交関係を樹立し、現在では「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」の下、政治、経済、安全保障、文化・人的交流など幅広い分野で緊密に連携しています。
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A10. ベトナムは南北に細長い地形のため、地域によって気候が異なります。北部は温帯気候で四季があり、冬は冷涼で夏は暑く湿度が高いです。中部と南部は熱帯モンスーン気候で、雨季と乾季が明確に分かれています。
ベトナム労働法FAQ
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ベトナムの法定労働時間は、1日8時間、週48時間が上限とされています。
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原則として年間最大200時間までですが、一部の業種では年間最大300時間まで延長可能です。また、1か月の残業時間の上限は40時間です。(政令 145/2020/NĐ-CP 第55条)
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2024年7月1日より適用される新しい最低賃金は、地域ごとに異なります。
具体的には、地域1では496万ドン、地域2はは441万ドン、地域3は386万ドン、地域4は345万ドンに改定されました。 -
試用期間は、職種によって異なりますが、高度な専門職(大学卒業以上が必要な職)は最長60日とされています。
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有期労働契約は最長36ヶ月(3年間)まで締結可能で、その後は更新する必要があります。季節労働契約は、最長12ヶ月までと規定されています。(労働法 第20条)
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通常の労働者は、1年間の勤務につき最低12日間の有給休暇を取得できます。
危険作業や特定の業種では、15日または16日間の休暇が付与される場合があります。(労働法 第113条) -
企業は、労働組合の有無に関係なく、従業員の社会保険料計算の基礎賃金の2%を労働組合費として納付する義務があります。労働組合が設立されている場合、一部は企業内労働組合に分配されます。(労働法 第191条)
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A. 外国人がベトナムで合法的に働くためには、労働許可証(ワークパーミット)の取得が必須です。加えて、一時滞在許可証(TRC)を申請することで労働許可の期間内で長期滞在が可能となります。
労働許可証がない状態での就労は法令違反となり、企業や本人に罰則が科されるリスクがあります。AGSでは、これらの労働許可取得・TRC取得手続きをトータルでサポートいたします。 -
A.ベトナムで就労する外国人は、原則として労働許可証が必要です。以前は90日以上の就労が対象とされていましたが、最新の法令では期間に関わらず労働許可証が必要な場合があります。(政令 152/2020/NĐ-CP)
他方で、 一部の外国人労働者は、特定の条件を満たすとベトナムでの労働許可証取得義務が免除されます。ただし、労働許可証が不要な場合でも、労働許可証免除証明書の取得が求められることが多く、正式な手続きを怠ると違法就労とみなされる可能性があります。企業の業種や職務内容によって免除の適用可否が異なるため、事前の確認が必要です。AGSでは、免除申請の適用可否の確認から、手続きの代行までサポートいたします。
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A. 労働許可証の取得には、通常2ヶ月程度かかりますが、事前準備が不十分だとさらに時間がかかる可能性があります。
労働許可証を取得するためには、企業がスポンサーとなり、内務局に申請する必要があります。申請区分や申請者の職種によって、必要な手続きが異なります。
AGSでは、迅速な取得をサポートし、必要書類の準備をお手伝いします。
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A. 労働許可証の申請には、十分な有効期限のあるパスポート、健康診断証明書、無犯罪証明書、学歴証明書、または職歴証明書、現地での雇用契約書、現地法人のライセンス証明書等が必要です。
ベトナム国外で作成された書類の場合、本国での公証・領事認証が必要となる場合があり、その取得までに数週間~1ヶ月以上かかることもあります。早めに事前準備を開始することを推奨します。
AGSでは、必要書類のリストアップ、認証手続きのサポート、書類の確認までトータルで対応いたします。 -
A. 労働許可証なしで働くことは違法行為とみなされ、企業・本人ともに厳しい罰則が科される可能性があります。企業には高額な罰金が科されるほか、外国人本人が国外退去処分を受けることもあります。また、違法就労の履歴があると、将来的にベトナムでのビザ取得が困難になる可能性があり、再入国が制限される可能性も考えられます。企業が外国人を雇用する際には、労働許可証の取得を確実に行うことが求められます。
AGSでは、違法就労のリスクを回避するための適切な手続きを支援します。 -
A. 労働許可証の有効期間は最長2年であり、その後の更新が可能です。ただし、更新申請には雇用契約の継続が条件となります。(政令 152/2020/NĐ-CP)
更新手続きは期限の少なくとも3ヶ月前に開始することが推奨されます。更新手続きでも、各種の審査に時間がかかることがあります。
期限を過ぎると、TRC期限も同時に切れることが通常であるため、ベトナム国外への出国を余儀無くされます。
AGSでは、期限管理から更新手続きまでスムーズに対応します。 -
出産の前後合計で6か月の産休を取得できます。このうち産前休暇は最大2か月までです。
双子以上を出産した場合は、2人目以降の子1人につき1か月の休暇が追加されます(例:双子の場合は7か月)。
根拠:ベトナム労働法 45/2019/QH14 第157条
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A. 産休期間中は、会社からの給与支払いは不要ですが、社会保険からの給付を受け取ることができます。社会保険に加入していることが前提条件です。
会社は、労働者が職場に復帰してから45日以内に、必要書類(出生届の謄本等)を社会保険機関に提出する手続きを代行する義務があります。
根拠:社会保険法 58/2014/QH13 第34条・第101条・第102条
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A. 延長(無給):法定の産休6か月が満了した後、使用者と合意すれば無給で休暇を延長することができます。
早期復職:以下の条件をすべて満たす場合、産休満了前に復職することができます。 ・産休開始から4か月以上経過していること ・医師の確認(早期復職が健康に害を及ぼさないこと)を取得していること ・使用者の同意があること
早期復職した場合、勤務した日数の賃金に加え、社会保険給付も引き続き受け取ることができます。
根拠:ベトナム労働法 45/2019/QH14 第157条第3項・第4項
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法律により、以下を理由とした解雇・労働契約の一方的な解約は禁止されています。 ・結婚 ・妊娠 ・産休取得 ・生後12か月未満の子供の養育
ただし、企業が活動を終了した場合等の例外はあります。また、有期雇用契約の期間満了による契約終了はこれには該当しません。
なお、妊娠中・産休中・生後12か月未満の子を養育中の女性労働者に対しては、懲戒処分を行うことも禁止されています。
根拠:ベトナム労働法 45/2019/QH14 第137条第3項・第4項
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以下の労働者(本人が同意した場合を除く)を、深夜労働・時間外労働(残業)・出張に従事させることは禁止です。 ・妊娠7か月以降の女性労働者(一部の地域は6か月以降) ・生後12か月未満の子を養育する女性労働者
根拠:ベトナム労働法 45/2019/QH14 第137条第1項
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妊娠期間中、検診のために最大5回(1回につき1日)の休暇を取得することができます。
この休暇は会社からの給与支払いは不要(無給)ですが、社会保険からの給付が支給されます。
根拠:社会保険法 58/2014/QH13 第32条
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生後12か月未満の子供を養育する女性労働者は、労働時間中に1日あたり60分の休憩を取得できます。この休憩時間は有給として扱われます(賃金の減額なし)。
例:1日8時間労働であれば、実質7時間の勤務で8時間分の賃金が支払われます。子供が1歳を超えるとこの権利はなくなります。
根拠:ベトナム労働法 45/2019/QH14 第137条第5項
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産休終了後に職場復帰する際は、以下の権利が法律で保証されています。 ・産休前と同じ職場への復帰 ・産休前と比べて賃金・権利・利益を減らされないこと ・以前の業務がなくなっている場合でも、使用者は産休前の賃金を下回らない賃金で別の業務を割り当てる義務あり
根拠:ベトナム労働法 45/2019/QH14 第140条
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妊娠中または生後12か月未満の子を養育中に労働契約の期限が切れた場合、その労働者は優先的に新たな労働契約を締結される権利があります。
ただし、有期雇用契約の期間満了そのものは、妊娠・出産を理由とした解雇の禁止規定の対象外となります。
根拠:ベトナム労働法 45/2019/QH14 第137条第3項
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A.はい、妻が出産した場合、社会保険に加入している男性労働者は原則5日間の産休を取得することができます。この休暇は妻の出産後30日以内に取得しなければなりません。
なお、ベトナムには日本の育児休業に相当する制度(産休終了後に長期間育児のために休業できる制度)は法令上設けられていません。
根拠:社会保険法 58/2014/QH13 第34条第2項
ベトナム出入国管理法関連FAQ
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原則として必要です。日本国籍者は短期滞在であればビザ免除制度(45日以内)を利用できますが、以下の場合は目的に応じた適切なビザの取得が必要です。
・就労・駐在を行う場合 ・45日を超えて滞在する場合 ・投資活動を行う場合
なお、ビザ免除の45日間を頻繁に繰り返す形での長期滞在は、入国審査官から不審視され入国拒否となるリスクがあります。実態として就労する場合は適切な就労ビザを取得することが必要です。
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日系企業の駐在員・出張者に関連する主なビザの種類は以下のとおりです。
DN1・DN2ビザ(商用・企業訪問) ・現地法人への出張・商談・会議等に使用。有効期間は通常3か月または6か月。取得には現地企業からの招聘状が必要。
LDビザ(就労) LD1 / LD2に区分。現地法人等で就労する場合に取得。労働許可証の取得が前提となる。
DTビザ(投資家) DT1〜DT4に細分化されており、投資額により有効期間が異なる(最大5年以上のものも存在)。
TTビザ(家族帯同) 駐在員の配偶者・子供が取得。有効期間は最大12か月。
NN2 / NN3ビザ(駐在員事務所・支店勤務) ベトナムにある日本企業の駐在員事務所や支店で勤務する場合に取得。
EVビザ(電子ビザ) 有効期間90日。マルチプルエントリーや、短期商用にも利用可能。
目的・滞在期間・勤務形態によって適切なビザが異なるため、事前に専門家への確認を推奨します。
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ビザとは別に労働許可証(Work Permit)が原則として必要です。ビザはあくまで入国・滞在の許可であり、就労資格は別途取得する必要があります。
労働許可証の申請は、受け入れ先の現地法人等が省・市の当局に対して手続きを実施します。勤務開始日の1〜3か月前には申請を開始することが推奨されます。
ただし、以下のケースは労働許可証が免除されます。
ベトナムでの就労が3か月以内の外国人
ベトナム人と婚姻している外国人
ベトナムの弁護士資格を持つ外国人弁護士
その他、労働法154条および政令152/2020/ND-CP第7条に規定する者
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A. ビザ(VISA)は入国・滞在を許可するもの、労働許可証(WP)は就労を許可するものです。
例えば、商用ビザ(DN)は短期出張用、労働ビザ(LD)は就労者、投資家ビザ(DT)は投資家向けといった違いがあります。また、ビザの種類によっては、長期滞在ができない場合があるため、適切なビザの選定が重要です。
AGSでは、適切なビザの案内とその取得要件や手続きまでトータルサポートを提供します。 -
A. TRC(Temporary Residence Card)は、一般的には労働許可証を持つ外国人労働者に発行されるビザに代わる滞在許可証です。
LD(就労)ビザの他にも、DT(投資家)ビザ、TT(家族帯同)ビザを保有する外国人が申請対象となります。
TRCを取得すると、通常~2年間の滞在が認められ、ビザの更新なしでベトナムに居住でき、ビザなしで自由に出入国することができます。カード型で発行され、外国人の身分証明書としても機能します。
申請には、パスポート、労働許可証、会社のライセンス証明書などが必要です。TRC申請中はパスポートを出入国管理当局に預けるため、申請期間中に国内外への出張が予定される場合は、事前に日程調整が必要です。
なお、TRCの期限が切れると、ベトナム国外への出国が求められるため、労働許可の期限内にベトナム国内でTRCの更新手続き完了が目標になります。
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TRCの取得には、ビザ区分に応じた以下の書類が必要です。
就労者(LDビザ):有効な労働許可証 ・有効なLDビザ、雇用契約書
投資家(DTビザ): 投資登録証明書(IRC)等の投資関係書類、有効なDTビザ
いずれの場合も、申請中はパスポートを当局に預ける必要があります。国内外への出張や旅行と日程が重なる場合は、TRC申請のタイミングに注意が必要です。
主なメリットは以下のとおりです。
有効期間内はビザ不要で自由に出入国が可能(マルチエントリー)
ビザの都度更新が不要になり、手続きの負担が軽減される
銀行口座の開設、賃貸契約、各種行政手続きが容易になる
外国人身分証明書として使用できる
長期駐在員にとっては実務上必須といえる制度です。
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TRCの有効期間はビザの種類および労働許可証・投資証明の期間に応じて異なります。
・2年以下(就労者の一般的なケース):労働許可証の有効期間に合わせて発行 ・2年超5年以下:投資家等で条件を満たす場合 ・5年超10年以下:DTビザの投資規模等により認められる場合
なお、TRCの有効期間はいかなる場合もパスポートの残存有効期限を超えることはできません(最長でもパスポート満期日から30日前まで)。更新はTRC期限切れ前に行う必要があり、期限切れとなった場合は再取得が必要になります。
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はい、可能です。駐在員の配偶者や18歳未満の子供はTTビザを取得した後、TRCを申請することができます。TTビザの有効期間は最大12か月ですが、TRCを申請することで、駐在員の労働許可の期限まで申請が可能です(最長2年)
申請には家族関係を証明する書類(婚姻証明書・出生証明書等)が必要で、これらの書類は事前に日本の外務省での公証および在日ベトナム大使館での領事認証を受ける必要があります。この手続きには一定の時間がかかるため、早期に準備を開始することが重要です。
なお、家族がベトナムで就労する場合は、TTビザ・TRCとは別に労働許可証の取得が必要です。
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更新は期限切れ前に余裕を持って手続きを行うことが重要です。
LDビザ・TRCの更新の場合は、労働許可証の更新が必要です。
一般的な注意点は次の通りです。
更新手続き中もパスポートの提出が必要になる場合があり、その期間は出張が制限される
TRCが期限切れとなると再取得が必要になり、手続きが煩雑になる
法改正が頻繁に行われる分野であるため、手続き前に専門家または関連機関に最新情報を確認する必要がある
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本人へのリスク
罰金 ・強制退去
国外追放
将来のベトナム入国制限
雇用企業へのリスク
罰金等の行政処分
コンプライアンス違反として取引先
当局からの信頼失墜
特に注意が必要なケース
ビザ免除(45日)で繰り返し滞在しながら実態は就労している場合
労働許可証が未取得・失効した状態での就労
ビザの種類と実際の活動内容が一致していない場合
不法就労の場合、本人の国外追放に加え、雇用企業も行政処分の対象となります。
AGSでは、ビザ・TRC・労働許可証の取得から更新まで一貫してサポートします。
ベトナム投資法・会社法FAQ
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A. ベトナムで事業を開始するには、投資登録証明書(IRC)と企業登録証明書(ERC)の取得が必要です。IRCは、外国企業がベトナムで投資活動を行うために必要な許可証で、ERCは法人登記のために必要な証明書です。IRCは正式な原本がピンク色の紙で発行され、ERCは黄色の紙で発行されるのが一般的です。
これらに加えて、業種によっては、小売ライセンス、規制品の輸出入ライセンス、教育ライセンスなどのサブライセンスが求められる場合もあります。AGSでは、事前の法規制確認から申請書類の準備、当局対応まで一括サポートいたします。 -
A. IRC(投資登録証明書)は、外国企業がベトナムで事業を行うために必要なライセンスで、投資額や事業内容を登録するものです。正式な原本はピンク色の紙で発行されるのが通常です。一方、ERC(企業登録証明書)は、企業の法人格を正式に認める証明書で、会社としての運営を可能にするものです。正式な原本は黄色の紙で発行されるのが通常です。IRCは外資企業向けに必要ですが、ERCは全ての企業に必要となります。新規進出時は、IRC取得後にERCを申請する流れとなります。これらの詳細については、業種や地域によって審査基準が異なるため、事前の確認が重要です。
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A. サブライセンスとは、特定の業種や業務を行うために追加で取得する許可証です。例えば、小売業を行うためには小売ライセンス、教育事業には教育ライセンス、医療関連の事業には医療ライセンスが必要です。業種ごとに必要なサブライセンスの要件が異なり、取得までに数週間~数ヶ月かかることがあります。AGSでは、業種ごとの要件を精査し、必要なライセンスを特定し、取得までのスケジュールを計画します。
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A. ベトナムでは、一部の業種(例:広告、物流業務の一部など)に外資規制があり、100%外資企業ではライセンス取得が難しい場合があります。
これらの業種では、現地パートナーとの合弁会社を設立する必要があるケースが多いです。また、取得可能なライセンスでも、外資企業向けには追加の条件や審査基準が設けられている場合があるため、進出前に規制の確認が重要です。
AGSでは、外資規制の調査から適切な進出方法の提案まで対応いたします。 -
A. 駐在員事務所(Representative Office)は、市場調査、取引先との連絡業務、情報収集、技術サポートなど、限定的な活動のみが認められています。営業活動や収益を伴う業務(販売・請求・契約締結)は一切禁止されています。また、租税条約に基づく恒久的施設(Permanent establishment)の論点を検討する際には、ベトナム駐在員事務所での活動内容を丁寧に検証が必要。
AGSでは、駐在員事務所の適正な運営方法や、法人化を視野に入れた運営のアドバイスも行っています。 -
A. ライセンス取得にかかる期間は、事業の種類や所在地によって異なりますが、IRCの取得には通常4~6週間、ERCの取得には2~4週間程度かかります。さらに、サブライセンスなどの追加が必要な場合、1~2ヶ月以上かかることもあります。また、投資家が準備しなければ書類の公証認証手続きや、社内での投資判断や承認プロセスに時間を要することがあり、これらがライセンス申請のスケジュールに影響を与えるケースもあります。AGSでは、スムーズな取得をサポートし、最適なスケジュールをご提案します。
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A. 企業のライセンスへ登録済み内容の変更(例:本社住所、代表者情報、資本金増額など)がある場合、IRCやERC等の更新・変更手続きが必要になります。ERCのみの変更で済む場合は比較的短期間で手続きが完了するのに対し、IRCの修正が必要になると審査が厳しくなり、手続きに数ヶ月かかることもあります。AGSでは、IRC・ERCの変更要否を事前に確認し、最適な申請方法を提案することで、スムーズな更新手続きをサポートします。
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A. 申請書類の不備や外資規制の誤認識によって、審査が長引いたり、却下されるケースがよくあります。また、地域によって審査基準が異なり、ハノイ・ホーチミン・ダナンなど各都市で手続きの流れが異なることもあります。さらに、申請後に法改正が行われると、追加の書類提出を求められることもあります。これらのリスクを回避するために、最新の情報を把握しながら手続きを進めることが重要です。
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A. 現地法人を設立せずにベトナムで事業活動を行う方法として、駐在員事務所の設立、現地企業とのパートナーシップ契約、フリーランス契約などが考えられます。ただし、駐在員事務所では収益活動が認められず、現地パートナーとの契約も業種によっては制限を受ける場合があります。現地駐在者がいない場合は、銀行口座の開設や利用が困難になる場合もあります。ベトナムの事業展開をするうえで慎重な検討が必要です。
AGSでは、事業形態の選定から手続きまでサポートしています。 -
A. 事業撤退を行う際には、法人清算に関するライセンスの手続きだけでなく、税務署からの「納税義務履行確認書(税務クリアランス)」の発行が不可欠です。この書類が発行されないと、税務上の未処理案件があるとみなされ、法人清算が完了しません。税務や税関での未納税・未解決の申告があると、手続きが長期化し、撤退に非常に長い時間がかかることがあります。AGSでは、撤退時の税務整理をサポートし、スムーズな解散を実現します。
ベトナム税法FAQ
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ベトナムの主要な税目には、法人所得税(CIT)、付加価値税(VAT)、個人所得税(PIT)、外国契約者税(FCT)、特別消費税(SCT)、輸入関税・輸出税などがあります。
一般的に、法人所得税(CIT)は四半期ごとに暫定申告を行い、年度末に確定申告を行います。付加価値税(VAT)や個人所得税(PIT)は毎月または四半期ごとに申告が必要です。
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A. CITは四半期ごとに仮納付し、年度末に確定申告を行う必要があります。申告期限は会計年度終了後3ヶ月後の末日までです。遅延すると罰則が科されます。また、損金算入の可否が日本基準と異なるため、適正な税務処理が必要です。
AGSでは、法人税の計算・申告を代行し、税務コンプライアンスを確保します。 -
ベトナムの法人税(CIT)は基本税率20%ですが、特定業種や地域では優遇税制(10%、15%など)が適用されることがあります。
また、中小企業向けの軽減税率も規定されています。 -
特定の業種(ハイテク、IT、教育、医療など)や経済特区・地方での投資に対し、法人所得税の優遇税率や免税期間が設けられています。適用を受けるための詳細は専門家へのご確認を推奨します。
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標準税率は 10% です。一部の生活必需品や教育、医療サービスなどには 5% または 0% の税率が適用されます。
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A.VATは月次または四半期ごとに申告し、仕入VATと売上VATを相殺して納税額を計算します。正式なVATインボイスがないと仕入VATの控除が認められないため、厳格な管理が必要です。VATの控除要件を満たしていない場合、企業に不利益が生じる可能性があります。
AGSでは、適正なVAT管理と申告業務を支援し、税務リスクの軽減をサポートします。 -
A. VAT還付は、特定の条件を満たした企業に認められます。例えば、輸出企業、設備投資が多い企業が対象です。VAT還付を受けるためには、適正なVATインボイスの管理、取引の証明書類、税務署への申請が必要です。税務当局は還付申請を審査し、追加書類の提出を求めることもあります。審査プロセスは複雑で、通常~6ヶ月程度かかることが多いため、事前準備が重要です。
AGSでは、VAT還付の要件確認から申請手続き、税務署との調整まで一貫してサポートします。 -
A.外国契約者税(FCT:Foreign Contractor Tax)は、ベトナム国外の法人または個人が、ベトナム国内で提供するサービスや販売取引に対して課される税金です。
FCTは法人所得税(CIT)と付加価値税(VAT)の二つの要素から構成され、一般的には、役務費用の支払者(ベトナム法人)が源泉徴収する形で納税する必要があります。
税率は取引内容により異なりますが、サービス提供はCIT5%+VAT5%の約10%が適用されるケースが多いです。FCTの適用を誤ると、税務調査時に追加納税が発生する可能性があるため、
AGSでは契約内容の事前チェックや正確な申告手続きをサポートします。 -
個人所得税(PIT)は、居住者と非居住者で異なります。居住者の場合、累進課税(5%~35%)が適用されます。
非居住者の場合は 一律20% です。
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A. ベトナムでは、給与支払い時に個人所得税(PIT)、社会保険(SI)、健康保険(HI)、失業保険(UI)を計算し、源泉徴収を行います。社会保険料率は企業負担が約21.5%(SI 17.5%、HI 3%、UI 1%)、従業員負担が約10.5%(SI 8%、HI 1.5%、UI 1% )です。
これらに加えて、労働組合費2%の処理も必要です。
PITの税率は累進課税方式(5%~35%)で計算され、給与額に応じて異なります。外国人の給与計算では、個人所得税(PIT)の税率が居住者の場合と非居住者で異なるため、その外国人労働者の正確な滞在日数の管理が必要です。また、外国人がベトナム社会保険の対象となるかどうかは、労働許可証の取得方法が影響するため、事前の確認が必要です。
AGSでは、外国人向けの給与計算・社会保険管理も含めてトータルでサポートします。
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ベトナムの税務当局は、定期的な税務調査を実施します。一般的に、3~5年に一度の頻度で過去の申告内容がチェックされ、不備がある場合は追徴課税や罰則が科されることがあります。
定期的な税務コンプライアンスチェックを行い、現地の税法改正に注意することが重要です。また、税務申告や会計処理を専門家(会計事務所など)に依頼することで、リスクを最小限に抑えることができます。
ベトナム国際税務FAQ
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A. ベトナムでは、グループ内取引がある企業は移転価格文書を作成する義務があります。
一定の条件を満たす中小零細企業は移転価格文書作成義務が免除されます。移転価格文書では、企業はベンチマーク分析を行い、取引価格の適正性を証明する必要があります。
ベトナムの規定はOECDガイドラインをベースとしていますが、独自の規定が加えられており、日本のルールとは異なる点があります。
ベトナムへの進出・拠点運営に際して、最も注意が必要な税務リスクの一つです。適切な移転価格対策を行わないと、追加課税や罰金のリスクが高まります。
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A. ベトナムでは、関連会社間取引(親会社・子会社間の売上、貸付、ロイヤルティ、役務提供など)が移転価格税制の対象となります。
関連者の定義は国内・国外を問わず広く設定されており、主に以下の関係が該当します。
出資比率が25%以上(直接・間接を問わず)
取締役・経営者の派遣等による実質的な経営支配関係がある場合
資金貸付、債務保証により財務上の支配関係がある場合
形式的な出資比率だけでなく実質的な支配関係も考慮されます。日本本社からベトナム子会社への役員派遣・借入・サービス提供はほぼすべて関連者間取引として扱われます。
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A. ベトナムでは、一定の基準を超える企業は、移転価格文書を作成・保管する義務があります。売上規模や関連取引額、その会社の状況に応じて、「マスターファイル」「ローカルファイル」「国別報告書」を準備する必要があります。
それらに加えて、関連者間取引を行う企業は、以下の4種類の別表を法人税確定申告書と合わせて毎年提出する義務があります。
別表I(Form 01):関連者の関係および関連者間取引に関する情報
別表II(Form 02):ローカルファイルに必要な情報・書類リスト
別表III(Form 03):マスターファイルに必要な情報・書類リスト
別表IV(Form 04):国別報告書(CbCR)※最終親会社がベトナム法人の場合
税務当局から文書の提出を求められた場合は、要請から30営業日以内(正当な理由がある場合は最大15営業日延長可)に提出しなければなりません。
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はい、適用されます。以下の取引は税務当局の重点チェック項目です。
親会社からの借入に対する利率(市場水準との比較)
ブランド使用料、商標権使用料
技術移転料、ノウハウ使用料
グループ内サービス料(経営指導料・管理費配賦等)
市場水準から乖離している場合、費用の損金不算入(否認)リスクがあります。また、利息についてはEBITDA30%ルールも同時に適用されるため留意が必要です。
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ベトナムの移転価格税制への対応では、実務上、以下の点が特に重要です。
EBITDAベースの利息損金制限(30%ルール)
関連者への支払利息は、EBITDA(税引前利益に支払利息・減価償却費を加算した額)の30%を超える部分は損金不算入となります。超過分は翌5年間で繰越控除が可能です。
ベトナム独自の下限値ルール
独立企業間レンジの下限値として、世界標準の第1四分位(25パーセンタイル)ではなく第35パーセンタイルが採用されています。ベトナム子会社はより高い利益率を求められます。継続的に低収益・赤字の企業は移転価格調査のターゲットになりやすいため、収益性の説明根拠の整備が重要です。
文書未整備によるリスク
文書が整備されていない場合、税務当局が独自に価格を認定して追徴課税を行うことができます。文書の整備は事後的では不十分であり、取引前・取引時からの準備が必要です。
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A. はい、導入されています。ベトナムは2023年11月に決議107/2023/QH15を採択し、2024年1月1日から適用を開始しました。その後、2025年8月29日に施行細則として政令236/2025/ND-CPが公布され、2025年10月15日から施行されています。この政令により、2024年度分の課税から正式に申告・納付手続きの法的枠組みが整いました。
ベトナムの標準法人税率は20%ですが、工業団地や優遇業種(IT・ハイテク等)では実効税率が15%を大幅に下回るケースがあり、グローバルミニマム課税の影響が特に大きい国の一つです。
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A. 以下の条件を満たす多国籍企業グループが対象です。
直近4会計年度のうち少なくとも2会計年度において、最終親会社の連結財務諸表上の収益が7億5,000万ユーロ以上
なお、たとえ上記グループ要件を満たしていても、ベトナム国内の構成事業体が以下の条件をすべて満たす場合は当該年度のQDMTT・IIRはゼロとなります(適用除外)。
ベトナム国内の平均収益が1,000万ユーロ未満
ベトナム国内の平均税引前利益が100万ユーロ未満または損失
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ベトナムでは以下の2つの課税方式が導入されています。
QDMTT(国内適格最低課税)
ベトナム国内の構成事業体の実効税率が15%を下回る場合、ベトナムが差額分をトップアップ課税する方式です。日本の親会社が対象グループに属する場合、ベトナムのグループ会社に対して適用されるのが主にこのQDMTTです。申告期限は会計年度終了後12か月以内です。
IIR(所得合算ルール)
ベトナムに所在する会社が最終親会社または中間親会社である場合に、軽課税国に所在する子会社の実効税率不足分をベトナムで課税する方式です。申告期限は初年度が会計年度終了後18か月以内、以降は15か月以内です。
追加税率の計算式:追加税率 = 15% - 実際の実効税率
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A.主な影響は以下のとおりです。
・優遇税制の実効性低下:
免税・低税率の優遇を受けていても、実効税率が15%を下回る場合はQDMTTによりベトナムで差額分が課税される
・追加納税の発生:
例えば実効税率が10%の場合、差額5%相当が追加で課税される
・投資採算の再検討:
優遇税制込みで投資採算を算定していた案件は、前提の見直しが必要
一方で、ベトナム政府はグローバルミニマム課税による追加税収を原資とした「投資支援基金」を設立し、対象企業への補助金等による新たな支援策を検討・実施しています。優遇税制に代わる支援が受けられる可能性があるため、グループ全体での対応を当局と協議することが重要です。
特にハイテク企業・工業団地入居企業・大型製造投資案件への影響が大きいとされています。
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A.ベトナムでグローバルミニマム課税への対応を実施する場合、以下の対応が重要です。
実務上急ぎ必要な対応
ベトナム国内に複数の事業体を有する場合は、事業年度終了後30日以内に申告事業体(Authorised CE)の指定届出
なお、未届出の場合、税務当局が独自に申告事業体を指定するリスクがあります
データ・体制の整備
実効税率(ETR)の国別計算体制の構築
グローバルミニマム課税申告書(GIR)の作成に必要なデータ収集体制の整備
セーフハーバー規定の適用可否の確認(申告負担の軽減策)
中長期の戦略検討
グループ全体の税務戦略の見直し
ベトナム政府の投資支援基金
補助金制度の活用検討
従来の優遇税制に依存した投資スキームの再評価
ベトナム金融規制FAQ
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A.一定の条件のもとで可能です。ベトナムでは、海外からの借入(外国借入)はSBV(ベトナム国家銀行)の管理対象となっており、短期・中長期に区分して規制されています。特に中長期の外国借入については、SBVへの登録が必須です。
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A. 以下の2つに分類されます。分類により、SBVへの登録義務・報告義務・借入限度額の適用が大きく異なります。
・短期の外国借入(返済期限1年未満):SBVへの登録は原則不要。借入限度額の制限も受けない。
・中長期の外国借入(返済期限1年以上):SBVへの登録が必須。外国資本企業等の場合、登録できる借入上限は投資登録証明書(IRC)記載の投資総額と払込済定款資本の差額となる。
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A. 以下の手順で進める必要があります。
契約締結後30日以内かつ資金の引出前に、SBVへ外国借入の登録申請を行う
SBVの承認(登録証明)を取得する
SBVが指定する専用口座(外貨口座)を通じて資金を受け取る
登録が完了しない場合、元金・利息ともにベトナム国外への送金が認められません。登録はSBVのオンラインポータル(www.qlnh-sbv.cic.org.vn)を通じて行います。
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A. あります。短期の外国借入はSBVへの登録は原則不要ですが、以下のケースでは中長期の外国借入として再分類され、登録義務が生じます。
・借入期間を延長した結果、合計1年以上となった場合 ・返済期限までに返済できず、借入期間が1年を超過した場合
再分類となった場合は、その時点から30日以内に登録手続きを行う必要があります。
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はい、外国借入の使途は明確に限定されています。主な認められる目的は以下のとおりです。
・投資プロジェクトの実施 ・事業運転資金の補填(短期の外国借入の場合) ・既存のオフショアローンの借換え(リファイナンス) ・その他SBVが承認したプロジェクト(2023年の新通達で新たに追加)
なお、株式・出資持分の取得や投機的目的での利用は認められません。借入時には「外国借入使用計画」の作成・提出が義務付けられています。
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あります。外国借入の受取および返済(元金・利息)は原則として外貨で行われ、SBVが管理する専用外貨口座(借入口座や、資本口座)を通じて処理する必要があります。また、利息をベトナム国外に送金する際には、外国契約者税(FCT、税率5%)が課される点にも注意が必要です。
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中央銀行が発行する通達上に明確な上限規定はありませんが、実務上以下の点に注意が必要です。
・関連者間取引(親子ローン等)の場合、市場水準との整合性(アームズレングス原則)が求められ、移転価格税制のリスクに直結します。
・外国借入の支払利息の損金算入には制限があり、過少資本税制(EBITDA基準)が適用されます ・金利水準が過大と判断された場合、税務調査で否認リスクが生じます
契約前に税務・財務面での事前検討が不可欠です。
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はい、定期報告が義務付けられています。2023年の新通達より、外国借入の報告はオンラインのみ・月次が原則となりました。報告内容には以下が含まれます。
・外国借入の残高 ・返済状況(元金・利息) ・専用口座の入出金状況
報告を怠った場合、行政罰の対象となります。
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オフショアローンに関する規制違反が発覚した場合の主なリスクは以下のとおりです。
・外貨送金の停止(元金・利息ともに送金不可) ・行政罰(罰金) ・借入契約の実行不可 ・税務否認(支払利息の損金不算入)
実務上、銀行が送金を拒否するケースが最も深刻な影響となります。違反発覚後の是正手続きは複雑なため、登録・報告の適切な管理を事前に徹底することが重要です。
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はい、完全に規制対象です。親会社からの貸付であっても外国借入として扱われ、SBVへの登録および月次報告義務が課されます。
加えて以下の点にも注意が必要です。
・移転価格税制:金利がアームズレングス原則に反していないかの検証が必要 ・過少資本税制:支払利息のEBITDA比率に上限あり(超過分は損金不算入) ・外国契約者税(FCT):利息送金時に5%が課税される
親子ローンは手続きが煩雑なため、契約前にAGSへご相談されることをお勧めします。
ベトナム会計FAQ
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ベトナムの会計制度は以下の階層的な法令体系により構成されています。
会計法(第88/2015/QH13号):最上位の基本法
実施細則政令(第174/2016/ND-CP号):会計文書の保管
チーフアカウンタント等に関する詳細規定
ベトナム会計基準(VAS):財務省が2001年から2005年にかけて公布した26の基準
財務省通達:実務の中心となる具体的規定。大企業向けは通達200号(200/2014/TT-BTC)、中小企業向けは通達133号(133/2016/TT-BTC)が適用される
なお、すべての企業は、財務省が指定する勘定科目コード(Chart of Account)を使用して記帳する義務があります。
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原則としてベトナムドン(VND)を使用します。ただし、以下のような条件を満たす場合には、USD等の外貨を会計通貨として採用することが可能です。
外貨建て取引が主体である
外貨での資金調達・決済が中心である
外貨での記帳を実施する場合は、当局への登録が必要です。
なお、外貨を会計通貨とした場合でも、税務申告はVND換算で行う必要がある点に注意が必要です。
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原則として暦年(1月1日から12月31日)ですが、3月・6月・9月末日を期末とする12か月の事業年度を選択することも可能です。12月末以外の決算期を採用する場合は、事前に税務当局へ申請する必要があります。
なお、例えば12月末決算から3月末決算へ変更する場合、移行期間(1月から3月)についても1会計期間として税務申告が必要となり、繰越欠損金の使用期間や投資優遇措置の期間にも影響します。
親会社との連結対応を目的に変更するケースでは、事前に税務・会計両面での影響を十分に検討することが重要です。
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A. ベトナムでは、企業は毎月の会計処理を行い、年度末に財務諸表を作成し、所轄の税務署等(税務当局、統計局、企業登録機関)へ提出する義務があります。
財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、付属明細書が含まれ、会計年度終了後90日以内に提出する必要があります。
外資系企業および一定規模以上の企業には、ベトナム財務省に登録された監査法人による年次法定監査が義務付けられており、監査報告書を法人税確定申告書に添付して提出する必要があります。
日系企業にとっての実務上の留意点として、VASに基づく財務諸表は親会社連結に直接使用できないため、IFRSまたは日本基準への組み替え作業を監査・申告と並行して進める体制が必要です。AGSでは組み替え業務を含めトータルでサポートします。
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会計単位とは、独立して会計帳簿を作成し、財務諸表を作成する主体を指します。通常は法人単位ですが、以下のケースでは独立した会計単位として管理が求められる場合があります。
投資優遇措置を受けるプロジェクト単位 ・支店・事業所ごとに独立会計が求められる場合
EPE(輸出加工企業)とNon-EPEが混在する場合
特に投資優遇を受けるプロジェクトと通常事業を兼営する場合は、部門別会計(セグメント管理)が税務上も重要になります。
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ベトナムでは、現地法人が国内に支店を設立する際、会計・税務上の分類として「独立支店」と「従属支店」のどちらかを選択することができます。この区分は、支店設立時に計画投資局(DPI)への申請書類で選択し、登記されます。
独立支店(独立会計計上):本店とは独立して会計帳簿を作成・管理する支店
従属支店(従属会計計上):本店と共同で会計を管理し、独立した帳簿を持たない支店
この2つの最大の違いは「独自に会計帳簿を作成するかどうか」という一点に集約されます。
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はい、すべての企業の経営者は、社内に経理に関する組織を設置する義務があります。具体的には以下のいずれかの形態をとります。
社内に会計部門を設置する
外部の認可を受けた会計サービス会社へ委託する
チーフアカウンタントには、ベトナムの会計資格と実務経験の要件が設けられています。
日系企業では、現地採用のチーフアカウンタントと日本人経理担当者が連携し、VASと日本基準の二重管理を行うケースもあります。
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VASはIFRSをベースに開発されていますが、以下の分野の基準は現時点で未整備または適用対象外となっており、IFRSとの差異が残っています。
固定資産の減損会計(減損認識の規定なし)
金融商品の時価評価(公正価値会計は限定的)
従業員給付の会計基準 ・使用権資産のオンバランス計上(IFRS第16号相当)
IFRS第15号に基づく履行義務ベースの収益認識モデル
このため、日本親会社の連結決算においては、VASに基づく財務諸表をIFRSまたは日本基準(JGAAP)へ組み替える作業が必要となるケースがあります。
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基本は取得原価主義であり、時価(公正価値)評価の適用範囲は限定的です。主な特徴は以下のとおりです。
固定資産:取得原価で計上。減損会計の規定なし
金融商品:原則として公正価値評価は行わない(一部例外あり)
投資不動産:取得原価モデルのみ。公正価値は注記開示のみ
デリバティブ:VASには時価評価の体系的規定がない
このため、日本本社の連結財務諸表作成時には、減損テストや公正価値評価を含む組み替え作業が必要となる場合があります。
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はい、保存義務があります。ただし保存期間は文書の種類によって異なります。
5年保存:補助的な会計文書(一部の内部承認書類等)
10年保存:会計帳簿、証憑、財務諸表等の主要な会計文書
永久保存:設立関連文書、固定資産台帳など一部の重要文書
電子保存も認められていますが、真正性・完全性・アクセス可能性に関する要件を満たす必要があります。税務調査時には即時提出できる状態での管理が求められます。
ベトナム監査/レビューFAQ
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A.以下の企業に対して法定監査(独立監査)が義務付けられています。
外資系企業(FDI企業):全ての外資系企業が対象
上場企業 ・金融機関(銀行・証券会社等)
保険会社
BCC(事業共同契約)により事業を行う企業
国有企業
日系企業の多くは外資系企業に該当するため、規模の大小を問わず原則として毎年法定監査が必要です。監査報告書は法人税確定申告書に添付して提出することが義務付けられています。適正な監査を受けない場合、罰則や税務調査の対象となる可能性があります。
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A. ベトナムの会計監査では、売上や経費の証憑(VATインボイス)の適正性、法人税(CIT)の計算、社会保険の適用、現金取引の管理、関連会社間取引の適正性などが重点的にチェックされます。特に、税務申告内容と会計帳簿の整合性が厳しく確認されるため、適正な記帳と証憑管理が求められます。
AGSでは、監査前の事前レビューを実施し、監査指摘を最小限に抑えるためのサポートを提供します。 -
A. 会計監査を受ける際には、財務諸表、会計帳簿、VATインボイス、給与支払記録、法人税(CIT)や個人所得税(PIT)の申告書、固定資産台帳、銀行取引明細などの書類を準備する必要があります。また、契約書や取引証憑の適正性も確認されるため、事前の整理が重要です。監査前に書類を適正に整理し、指摘を最小限に抑えることで、スムーズな監査対応が可能となります。
AGSでは、必要書類のリストアップから準備まで支援します。 -
A5. レビュー業務とは、財務諸表の合理性や税務状況を第三者がモニタリングし、問題の早期発見や改善提案を行うサービスです。法定監査のように詳細な検証を行うわけではありませんが、商習慣や言語の異なるベトナムでの事業運営を安全に進めるための「早期警戒装置」として機能します。
レビューは月次・四半期・半期など柔軟な頻度で実施でき、経営判断や社内報告の精度向上にも貢献します。 -
A6. レビュー業務は、日系企業の現地法人、海外子会社、成長段階の中小企業やスタートアップに特に有効です。監査の義務はないものの、定期的な税務・財務モニタリングを通じて、トラブルの芽を初期段階で把握し、適切な対応を取れるため、内部統制や親会社へのレポーティング体制を強化したい企業に広く導入されています。
また、年度監査はBig4に依頼しつつ、期中レビューのみをAGSに委託するケースも多く、費用対効果の高い活用が可能です。 -
A7. レビュー業務の最大のメリットは、**リスクの「早期発見」と「事前対策」**ができる点です。税務上の誤りやリスクが蓄積する前に把握し、本監査や税務調査前に適切な手を打てるため、後からの修正コストや罰則リスクを大幅に減らせます。
さらに、カスタマイズ可能なレビュー内容によって、自社の重要指標にフォーカスしたモニタリングや、社内会計チームの育成にも役立ちます。定期レビューを通じて、経営判断の質や親会社・投資家からの信頼性を高めることができます。 -
監査法人は「独立監査法(Law on Independent Audit)」および財務省の規制に基づき運営されています。監査業務を行うことができるのは、ベトナム公認会計士協会(VACPA)に登録・認可された公認会計士のみです。
ベトナム公認会計士協会は国際会計士連盟(IFAC)のメンバーであり、ベトナムの監査基準は国際水準に準拠した体制が整備されています。監査法人の登録状況は財務省のウェブサイトで確認することができます。
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以下の観点で選定することが一般的です。
VACPAおよび財務省への登録の有無
外資系企業・日系企業の監査実績
日本語対応能力(担当者・報告書の言語対応)
グローバルネットワークの有無(Big4・中堅国際ネットワーク系)
監査スケジュールへの柔軟な対応力
親会社の監査法人がグローバルネットワーク系の場合、同一ネットワークの現地加盟法人を選定することで、連結監査の連携がスムーズになるケースが多くあります。また、VASからIFRS・日本基準への組み替え対応実績も重要な選定基準の一つです。
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ベトナム監査基準(VSA:Vietnam Standards on Auditing)が適用されます。VSAは国際監査基準(ISA:International Standards on Auditing)をベースに整備されており、ベトナム公認会計士協会(VACPA)が公表しています。
ただし、一部にローカル規制や実務上の慣行が含まれており、ISAと完全に同一ではありません。また、監査報告書は原則としてベトナム語で作成されますが、英語との併記も一般的です。
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法定監査では、VAS(ベトナム会計基準)および財務省通達に基づいて作成された財務諸表が対象となります。財務諸表の構成は以下のとおりです。
貸借対照表
損益計算書
キャッシュフロー計算書
財務諸表注記
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監査報告書および監査済財務諸表の提出期限は、会計年度終了後90日以内(3か月目の月末まで)です。法人税確定申告書も同じ期限で提出が必要なため、両者を同時に進める形でスケジュールを組みます。
通常の流れは以下のとおりです。
・年度末後、速やかに社内決算作業を開始(1月頃) ・監査法人による実査・監査手続の実施(1月から3月頃) ・監査報告書の発行・提出(3月末まで)
実務上の重要な注意点として、ベトナムでは監査法人および公認会計士の数が慢性的に不足しており(必要数7,000名以上に対し資格保有者は約4,000名程度)、12月末・3月末決算の企業に監査業務が集中する傾向があります。希望する監査法人を確保するためにも、早期の監査法人選定と事前の日程調整が重要です。6月末・9月末決算を選択することで、この集中リスクを回避できる場合もあります。
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監査済財務諸表は以下の機関に提出します。提出期限は会計年度終了後90日以内です。
・税務当局(法人税確定申告書に添付) ・企業登録機関(計画投資局・DPI等) ・統計局
外資系企業の場合、投資活動報告もあわせて提出が必要です。また、帳簿・財務諸表はベトナム語表記が必要ですが、外国語との併記は認められています。
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実務上、以下の論点が多く指摘されます。
・売上計上の根拠(インボイス・契約書・納品書の整合性) ・費用の証憑不備(電子インボイスの未取得・内容不備) ・関連者間取引(移転価格:金利・ロイヤルティ・経営指導料等) ・固定資産の管理(減価償却方法・耐用年数の適切性) ・在庫管理(実地棚卸との一致・評価方法) ・外貨換算差損益の処理 ・過少資本(支払利息の損金算入制限)
特に「証憑の整備」と「関連者間取引の市場整合性」は税務リスクと直結するため、監査法人から重点的に確認される論点です。
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以下の点が重要です。
・監査スケジュールを早期に確定し、社内の決算スケジュールと整合させる ・必要資料(試算表・元帳・証憑・契約書・議事録等)を早期に準備する ・重要な会計処理方針(減価償却方法・収益認識方針等)を事前に説明する ・前年度からの重要な変更点を事前に共有する
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はい、可能です。ただし以下の点に注意が必要です。
・前任監査法人からの引継ぎ(前年度の監査調書・会計処理方針の確認) ・親会社監査法人との整合性(グローバルネットワーク系の場合は承認が必要なケースあり) ・変更のタイミング(期中変更は混乱を招くため、年度替わりが原則) ・当局への届出(必要に応じて)
頻繁な変更は当局や取引先から「ガバナンス上の懸念」として見られる場合があります。監査法人の変更を検討する場合は、品質・コスト・スケジュール対応の三点を総合的に評価した上で判断することをお勧めします。
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