移転価格文書の作成と意思決定のポイント

「堅苦しい税制を、少しでも身近なものへ」をテーマに、本稿では移転価格文書作成に関する具体的な意思決定について解説します。移転価格文書の必要性は理解していても、「結局、何をいつまでに決めれば良いのか分からない」というお悩みをお持ちの方は、ぜひ最後までご一読ください。

移転価格文書の作成期限は?

法定期限と実務対応のギャップ

移転価格文書は、法人税の確定申告期限までに作成する必要があります。つまり、2021年12月期の移転価格文書は、2022年3月末までに作成を完了しなければなりません。

しかしながら、商業データベースから取得する「比較対象企業」の2021年財務データを利用する場合は、当該データが更新されるのを待たねばなりません。そのため、期限に間に合わせるには、過年度の財務数値との比較を前提とする作成を検討する必要があります。

一方で、過去の比較対象企業のデータと、当年の当社データを組み合わせて作成された移転価格文書には、「適正性」に疑義が生じるリスクも否めません。 このような現実を踏まえ、以下のような社内方針の明確化が必要になります。

  • 法令に従い、申告期限までに必ず作成する

  • 税務調査までに完成すればよいという内部方針を採用する

いずれを採用するかは、経営判断に基づく意思決定が求められます。

文書があっても税務リスクは消えない?

作成=安全ではない現実

移転価格対応の現場では、外部コンサルタントが作成した移転価格文書に基づいて、実際に関連者間取引価格を改定する事例は少ないのが実情です。つまり、いかに多くの時間とコストをかけて文書を作成しても、それが将来の税務リスクを完全に解消するものではないということです。

移転価格文書とは、客観的に導かれた「唯一正しい価格」を提示するものではなく、一定の前提条件に基づき、関連者取引価格を説明するための資料です。「移転価格は神のみぞ知る」といわれるように、抽象性と専門性の高い分野です。

したがって、移転価格文書の作成方針や内容に関しては、必ず専門家にご相談されることを強く推奨します。

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